週刊田崎

田崎 健太 Kenta Tazakimail

1968年3月13日京都市生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学法学部卒業後、小学館に入社。『週刊ポスト』編集部などを経て、1999年末に退社。サッカー、ハンドボール、野球などスポーツを中心にノンフィクションを手がける。 著書に『cuba ユーウツな楽園』 (アミューズブックス)、『此処ではない何処かへ 広山望の挑戦』 (幻冬舎)、『ジーコジャパン11のブラジル流方程式』 (講談社プラスα文庫)、『W杯ビジネス30年戦争』 (新潮社)、『楽天が巨人に勝つ日−スポーツビジネス下克上−』 (学研新書)、『W杯に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇―』(新潮文庫)、『辺境遊記』(絵・下田昌克 英治出版)。 12月に『偶然完全 勝新太郎伝』(講談社)を上梓。早稲田大学講師として『スポーツジャーナリズム論』を担当。早稲田大学スポーツ産業研究所 招聘研究員。日本体育協会発行『SPORTS JUST』編集委員。創作集団『(株)Son-God-Cool』代表取締役社長。愛車は、カワサキZ1。twitter :@tazakikenta

INDEX  2012 « 2011 12 11 10 8 7 5 2 1  » 2010

201105

2011年5月10日

気がついたら五月も三分の一が終わっていた。
前のwebを更新したのが二月末、三ヶ月近く放っておいたことになる。
3月11日の東日本震災が起こった時、ぼくはブラジルのバイアにいた。ブラジルでは様々なお願いを していた方への謝罪が主たる用件だったのだが、会う人、会う人から日本のことを心配された。
帰国してみると、十階にある事務所では、本棚が倒れ、本や荷物が散乱しており、文字通り足の踏み場がなかった。
荷物を片付けてみると、本棚の裏板がはがれ、棚を固定する金具の部分が割れていた。仕事ができるまでに、二日間かかった。
片付けてみると、被害は本棚だけだった。ぼくの机の上に飾っていた、勝新太郎「警視K」フィギュ アも無事だった。唯一、カワサキZ1の模型の片方のミラーが折れていた。東北の方に比べると被害はなかったに等しい。
本棚に本を並べ直し、形を整えたが、大きな余震があるごとに、棚が壊れた。結局、直すのを諦めて 、未だに三つの本棚の棚はゆがんだままになっている。

ブラジル滞在中に、勝新太郎さんの評伝の第一稿を書き上げた。一時原稿用紙で七〇〇枚を超えたが 、削り六〇〇枚程度におさえた。
ただ――。 震災で出版界も大きな影響を受けた。版元の講談社と相談して、発売を少し伸ばすことにした。結果 的としては良かったかもしれない。勝さんの人生は深く、まだ分からないところがある。さらに追加 取材をして、原稿を磨き上げていくことになる。出版時期が決まれば、ここに書くつもりだ。

バイアにて