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1968年3月13日京都市生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学法学部卒業後、小学館に入社。『週刊ポスト』編集部などを経て、1999年末に退社。 |
2014年7月7日
今日、六日間のNYC出張から帰国した。
ぼくにとってNYCとは、ベルベット・アンダーグラウンドであり、パティ・スミスであり、イギー・ポップであり、ジョニー・サンダースであり、ポール・オースター(週刊誌時代にインタビューできたのは本当に嬉しかった! )である。昨晩は、パティ・スミスとロバート・メイプルソープが出入りしていたという、スペインレストランへ行った。古く怪しい店からは、少しだけ昔の猥雑なNYCの香りがした。
ぼくたちの仕事は他人の人生をのぞき見ることでもある。時に、彼ら、彼女たちの幸せのみならず、毒まで吸い込む。だから、ぼくはある時期から、一定以上の長さの原稿については、自分がどこか違うと感じる人間を描くのをやめにした(もちろん、一人の人間を描く上で必要な補助的取材はするが)。
ぼくが描きたいと思うのは、矜持を持って人生と格闘している「個」だ。今回もNYCでいい出会いがあった。これだから、取材して書くということはやめられないのだ。
7月4日の独立記念日は残念ながら雨だった。