1968年3月13日京都市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、小学館に入社。『週刊ポスト』編集部などを経て、1999年末に退社。サッカー、ハンドボール、野球などスポーツを中心にノンフィクションを手がける。 著書に『cuba ユーウツな楽園』 (アミューズブックス)、『此処ではない何処かへ 広山望の挑戦』 (幻冬舎)、『ジーコジャパン11のブラジル流方程式』 (講談社プラスα文庫)、『W杯ビジネス30年戦争』 (新潮社)、『楽天が巨人に勝つ日−スポーツビジネス下克上−』 (学研新書)、『W杯に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇―』(新潮文庫)、『辺境遊記』(絵・下田昌克 英治出版)。 早稲田大学非常勤講師として『スポーツジャーナリズム論』を担当。早稲田大学スポーツ産業研究所 客員研究員。日本体育協会発行『SPORTS JUST』編集委員。創作集団『(株)Son-God-Cool』代表取締役社長。愛車は、カワサキZ1。 |
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2009年2月28日
昨日、テレビをつけると、東京では雪が舞っていた。こちらは今日こそ曇り空だが、ここ数日も二十五度を超える暑さだった。
同じ日本なのにずいぶん違う。
今日の最終戦、コラソンは豊田合成に勝利した。
様々な苦労があったが、最後に本拠地で勝利。とりあえず、いい終わりだったと思う。
試合が終わった後は、コラソンの打ち上げに参加させてもらった。報われることの少ないチームではあるが、最後まで頑張った選手、東長濱監督、そして田場裕也、赤嶺代表、東京から駆けつけた市原さんたちと旨い酒が飲めた。
さて。
コラソンの試合でも、本田技研の方の娘さんの難病を救う募金が行われていた。リーグ戦全体でこうした試みが行われているようだ。コラソンの選手たちは、決して金銭的に恵まれていない。にも関わらずこうした募金に協力することは素晴らしいことだ。
ただ−−。
募金に反対するわけではないが、ひっかかる部分もある。
難病の子供を救いたいという「優しい」気持ちがあるならば、自分の仲間たちを助けようという気持ちがあってしかるべきだろう。
彼女の手術費用の募金箱の隣に、各会場でホンダのための署名を置いてもいい。しかし、何もせず、ホンダは終わった。
一時的にリーグを撤退するという言い訳はやめたほうがいい。実業団スポーツはこれからどんどん衰退していくだろう。一度やめたものを復活させることがどれだけ大変か。
仲間の気持ちを思いやることができれば、立ち上がらなければならないという気持ちは出てくるだろう。他のチームの選手が集まって、ホンダの選手たちと何らかの方策を考えるべきだった。
その過程では、企業と戦わなくてはならない。自分たちが企業に寄生している、現実と向き合わなくてはならないかもしれない。
そうした面倒は避けたいが、「美談」には乗りたい。
ハンドボール界は、そんな風に「綺麗事」ばかり続けてきたように見える。それは、「優しさ」ではなく、「逃げ」なのだ。
かつて、田場たち飲んだ時に、
「俺はお前のことを大好きだ。応援している」
と田場の肩を叩いていた“友人”がいた。話を聞いてみると、彼は試合に来たことさえもなかった。
僕はジャーナリストではあるが、コラソンのファンクラブの会員でもある。僕のアシスタントをやってくれていたMも、沖縄に取材に同行した時、試合会場で会員となった。
ファンクラブに入っていることが全てではないが、行動することが大切である。
僕もシンクロナイズドスケーティングのクラブをやっているから分かるが、「綺麗事」よりも、「現実」が欲しい。
ハンドボールのために何かできないですか?という人は少なくない。
確かに企業に頼り切ってるハンドボール界では一般の人ができる事は見えにくい。
コラソンは違う。
今後はコラソンのようなクラブチームがリーグを支えていくことになるだろう。だからコラソンを潰してはならない。
コラソンのファンクラブに入ることは、日本のハンドボールを支えることである。来季以降も、是非応援してあげて欲しい。
2009年2月25日
またもや沖縄からの更新になるが、来月フォーラムの司会をする。
先日、海老沢さんとお会いしたが、メディアに出ている印象とずいぶん違っていた。かなり面白い話になると思う。スポーツジャーナリズムだけでなくビジネスに興味のある人は、是非足を運んで欲しい。
大久保建男記念スポーツジャーナリズム基金公開フォーラム
「真のスポーツジャーナリズムとは何か?
〜五輪、W杯、メジャーリーグ、そして朝青龍
まで〜」
●講演者: 海老沢勝二氏 (前横綱審議委員会委員長、元日本放送協会会長)
●司会: 田崎健太
●日時: 2009/3/19(木) 14:00-16:00
●会場: 早稲田キャンパス 小野記念講堂 (27号館 小野記念館地階)
●対象: 学生・教職員・一般
●参加申込み費用: 入場無料・直接会場へ
●主催・問合せ:早稲田大学スポーツ産業研究所
早稲田大学広報室広報課
(同基金事務局)
(広報課)
●Tel:03-3202-5454
●E-mail: koho@list.waseda.jp
2009年2月24日
沖縄は夏の陽気である。
この街を歩いていると、東京と同じ国でないような錯覚になる。それは良い意味でも悪い意味でも、なのだが。
僕たちが感じる、沖縄に関する違和感については、佐野眞一さんの労作『沖縄 誰にも書かれたくなかった戦後史』に詳しく書かれていたので、割愛する。
さて。
こんな暖かい島から書くのもなんだが、僕たちの「日本シンクロナイズドスケーティン
グクラブ」はメンバーを募集している。
僕はクラブに携わるまで、スケートの世界に詳しくなかった。知識はなかったが、シンクロナイズドスケーティングのビデオを見た時、非常に面白いと思った。
現在はまだ、フィギュアの“添え物的”な印象があるが、競技自体の可能性は大きいと見ている。
例えてみれば、一人の傑出したソロピアニストの演奏もいいが、大人数のビッグバンドの演奏を聞きたい時もある。
当クラブの星野コーチによれば、16人のメンバーが意思統一をした瞬間は格別であるという。
僕はスケートができないので、そうした話を聞くと羨ましくなる。
シンクロナイズドスケーティングは、これからオリンピック競技になる可能性もある。
仲間と出会い、世界チャンピオンの経験となった星野コーチの下で切磋琢磨することは
、得難い経験になるだろう。
スケート経験があり興味がある人は、是非僕たちのクラブの話を聞いて欲しい。あるいは周りにそうした人がいれば、紹介して欲しい。
世界を目指す仲間を、僕たちは必要としている。
連絡先: tazaki@japansynchro.jp
2009年2月21日
木曜日から沖縄に来ている。
琉球コラソンのシーズン最後の2試合の取材が第一の目的。
そして、原稿に集中するためが二つめの目的である。暖かい場所で缶詰になって書く方が効率がいいのではないかと思ったのだ。
さて。
昨日発売の月刊誌『ハンドボール』(スポーツイベント)で連載中の「魂のハンドボール」では、ホンダの休部のことにも触れている。企業に「寄生」してきた(男子)ハンドボール業界で、コラソンは異色である。順調とはいえないが、しぶとく生き残ろうとする姿を書いている。
ホンダの撤退の件で残念だったのは、選手側から何も声が上がらなかったことだ(もしかして上がっていたのかもしれないが、僕には聞こえなかった)
球界再編の時は、後手に回ったものの選手会が立ち上がり、経営者たちと対峙。結果、12球団制が維持された。
コラソンの選手を除けば、ハンドボールの実業団リーグには、企業の社員と契約社員しかいない。養ってくれている企業に反旗を翻すことは難しかったのかもしれない。
しかし、自分たちが人生を掛けているスポーツ、その仲間のクラブがなくなることをもっと怒っても良かったのではなかったか。
昨年、選手会のような組織が立ち上がっていたはずだが、あれは一体なんのためだったのか首をひねりたくなる。元日本代表の豊田が、海外移籍を求めて所属クラブが決まらなかった時、彼のチャレンジをバックアップするよりも、冷めた雰囲気があった。みんなでお揃いのTシャツを着るために、組織を立ち上げたわけではないだろう……。
今日行われた、大同特殊鋼と琉球コラソンの試合終了の瞬間。
力の差は歴然だった。前半途中までに十点近く離された。来週のホームでは、いい加減勝たないと……。
2009年2月1日
昨日から鹿島出張。今日は、元鹿島の秋田豊選手の引退試合を取材。親しい松原良香が、元ジュビロチームの一員として出場し、一得点。現役や、引退したばかりの選手の中で、良香は少々体重が重めだったが、彼の技術とポジショニングは確かだった。サッカーは「頭」だということを改めて実感。
ただ、この時期にサッカーを見るのは本当に辛い…。昼間でも十分寒い。
さて。
我らが 「日本シンクロナイズドスケーティングクラブ」 のシニアチームである、
「チーム・グレース」 のサイトがスタートした。
また、「チーム・グレース」の 星野有衣子ヘッドコーチのブログ、
チーム・グレースのメンバーが書き込むブログ も始まった。
選手の中には、娘のような年代の女の子もいる。そもそも僕は、男子高、ほぼ男子大学、男子編集部育ち(今も担当編集のほとんどは男性である)で、女子の世界に疎い。彼女たちが、やりやすいように手助けしていければと思う。
試合後、夕暮れのカシマスタジアムにて。
発売からずいぶん時間が経っているが、昨年末リコーGRDUを購入。初代GRDより確実に綺麗な絵が撮れるようになっている。数年前に発売したカメラに、今更感動するのも何だが…。