サンパウロからロス。“戦争中”のアメリカ合衆国は異常に警備が厳重だった。サンパウロから積み込んだ荷物を一度出さなくてはならなかった。それは9月11日以降そうだったから、まあ許そう。今回はさらに、搭乗口で靴を脱がされ、靴だけ三度も、赤外線チェックをされた。はっきり言って迷惑だ。アメリカ合衆国に悪意は持っているが、爆弾は持っていないと言おうと思ったぐらい。
そもそもアメリカ合衆国という国の都合で、南米便はロスで降ろされてきた。日本から南米に行くのならば、欧州を経由してもいいはず。しかし、その便はほとんどない。経由で落ちるお金を稼ぐため、アメリカ経由にさせているからだ。
貧しき国を爆撃して、その報復が怖いと、今度はわざわざ経由させる第三国の人間に不愉快な目をさせる。僕にとってはアメリカ合衆国なんて国は、サンパウロからの帰り道で寄らなければならない国にしか過ぎない。自国の都合で戦争をしているのだから、南米便は、アメリカ合衆国の補償で、全てメキシコシティ経由にでもしてくれればいい。そのぐらいの犠牲を払うべきだと思う。どうしようもなく傲慢な国。
と怒りながら、帰国。
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前略
一月十日から日本を空けておりましたが、昨日ブラジルより帰国しました。
今回の取材、リオ・デ・ジャネイロのカーニバルについて週刊現代(講談社)3月11日発売号のグラビアに掲載します。写真は、昨年上梓した「CUBA
ユーウツな楽園」と同じく写真家の横木安良夫氏によるものです。書店で是非手に取ってください。
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